ダブルスのゲームをやると後衛(ストローク)では何となくやることがわかるけど、前衛(ボレー)になるとどうしていいか分からない…。1回もボールに触らずにゲームが終わってしまった…。などということはありませんか。

この記事はそのような方がダブルスの前衛でしっかりとゲームに参加していけるようになるために必要な意識の持ち方、考え方についてご紹介します。またゲームの動きは頭ではわかっているのに、いざゲームがはじまると何もできずに終わってしまうという方にも参考になるかもしれません。

目次

ダブルス前衛でのはじめの3ステップ

ダブルス前衛でのはじめの3ステップは以下です。

  1. ボールが今どこにあるか把握しておく
  2. 打たれたボールは自分が取るつもりで準備しておく
  3. いつどこを守りたいか知っておく

これらについて解説していきます。

この3つができてくると、相手が打ってきたボールに反応できたり、必要に応じて立ち位置を変えたりするための下準備ができて、前衛にいても少しずつダブルスのゲームに参加できるようになってきます。

 

ステップ1:ボールが今どこにあるか把握しておく

コーチから「ボールをよく見て」と言われたことはありませんか。この場合の「見る」というのは「注意が向いているかどうか」ということになります。単にボールが視界に入っている状態と、ボールに注意が向いている状態は違います。ボールに注意が向くことでボールにリズムを合わせて打てたり、ゲームでは必要なポジションに移動したりすることができます。

ボールへの注意の向け方

ボールへの注意の向け方としては

  • 見る(視覚)
  • 聞く(聴覚)
  • 感じる(体感覚)

の3つの方法がありますが、テニスでは見る(視覚)が主となり補助的に聞く(聴覚)ことでボールに注意を向けることができます。

味方後衛がストロークを打つ時

例えば前衛にいる時に、味方の後衛の方にボールが入った時には目線は相手前衛をに向けておきます。すると一時的にですがボールが視界から外れます。そのような場合にもボールに注意を向けるには、ボールがバウンドする音や、味方後衛がインパクトする音を聞くことでボールを把握することができます。(コートの図を入れる)

味方後衛がサーブを打つ時

また味方がサーブする時も相手後衛の方向に体と目線を向けておきたいので聞くことで味方がいつボールを打ったかを把握しておきます。(コートの図を入れる)

ボールがどこにあるかによって立ち位置、身体の向き、見る方向が変わってきます。ボールがどこにあるかがわかれば自分がどうすれば良いかがわかってきます。ゲーム中はどこに立てば良いか分からなかったとしても、見たり聞いたりすることで“ボールがどこにあるか常に把握しておく”ようにしましょう。

 

ステップ2:相手の打球を自分が取りにいくつもりでいる

相手後衛が打ったボールが自分が取るべきか味方に任せるか考えていたらボールが自分のすぐ横を通り過ぎてしまった…。そんなことありませんか。

相手後衛がボールを打つ時には常に自分が取るつもりで準備しておけるといいと思います。できれば相手が打った瞬間にはボールに向けて動ければさらに良いです。

相手後衛がストロークを打って自分(前衛)がボレーするまでの時間は1秒を切ります。その様な短い時間の中で取るか取らないかの判断をする余裕はありませんし、ボールが自分に飛んできてから取ろうと思ってもとても間に合いません。

ある程度ストロークのコースをコントロールできる相手であれば基本的に前衛にボレーされないように打ち分けてくるので後衛に比べると前衛でボールに触る機会というのはかなり少ないです。しかしボールに触らないから意味がないかというと、そんなことはありません。

相手後衛が打つタイミングで前衛が毎回取ろうとする動きを見せると、後衛にとっては気が散ったり落ち着いて打てなかったりとプレッシャーになります。プレッシャーが掛かることで相手後衛はいいボールを打ちにくくなります。そうすることで味方後衛が余裕を持ってストロークしやすくなります。味方が良いストロークを打ってくれることで自分(前衛)がボレーするチャンスが生まれやすくなってきます。

ダブルスは一人がボールを打っている時は3人はボールに触れていない。打っていない時に何をしているかが重要です。なので相手後衛がボールを打つ時には自分が取るつもりで動ける準備をしておきましょう。

 

ステップ3:いつどこを優先して守りたいか知っておく

前衛にボールが回ってくる状況としては2つあります。一つは相手の後衛がボールを打つ時。もう一つは味方の後衛がボールを打つ時です。

相手の後衛がボールを打つ時

相手後衛が打ってくるストロークのコースは以下の3つです。

  1. 味方の後衛側
  2. 前衛と後衛の間
  3. 前衛(自分)の外側

1と2は前衛が取れなかったとしても後衛がとってくれる可能性がありますが、3は後衛が取るのは難しいコースです。なので相手後衛がボールを打つ時に前衛は、まずは自分の外側に来るボールを取りに行くことが最優先になります。

この時ボレーが失敗しそうだと不安になっても、自分が取らなければ味方後衛も取れずに結局はポイントを落としてしまうと思って勇気を出して取りにいきましょう。その上で気持ちの余裕が出てきたら2のボールも積極的に取りて行けるとさらに良いです。

味方の後衛がボールを打つ時

味方の後衛がボールを打った後の状況は2つです。一つは相手前衛に取られずに相手後衛側にボールが飛んでいく。もう一つは相手前衛に取られたボールがこちら側に返ってくる。

一つ目の相手前衛に取られずに相手後衛側にボールが回った場合は、前項の通り自分が優先して守るべきコースを守れるように準備しましょう。

問題は二つ目の相手前衛に取られた場合です。この場合は相手の前衛からボールが飛んでくるので、体は相手前衛の方を向いて構え、目線も相手前衛の方向に向けて準備する必要があります。相手前衛にボレーされたボールを返球するという状況はかなり不利な状況で難易度としてもかなり高いです。なのでこのコースに来たボールを返せなくても落ち込む必要はありません。ただいづれ反応して返球できるようになるためには、味方後衛がボールを打つ時に相手前衛からボールが来ることを踏まえて相手前衛の方に体と目線を向けて準備しておけるといいと思います。

 

まとめ

ダブルスの前衛でどうしたらいいか分からない方は

  1. ボールが今どこにあるか把握しておく
  2. 打たれたボールは自分が取るつもりで準備しておく
  3. いつどこを守りたいか知っておく

以上の3つのステップを振り返ってみてはいかがでしょうか。言われてみると当たり前と思うことばかりかも知れませんが、多くの人ができていない部分でもあります。またわかっていてもなかなかできない部分でもあるのでレッスンではコーチからの働きかけによって良い状態になるように促していきます。

ダブルスの前衛の動きは難しいのではじめは訳が分からなくても仕方ありません。何もできなくてもボールが今どこにあるか把握し続けることで、情報が増えて経験が積まれて少しずつどうすればいいのかもわかってきます。


ふっしー

伏見 大輔(ふしみ だいすけ)/TMCF代表/フリーランスのテニスコーチ/東京都板橋区を中心に都内でプライベートレッスン・初級者向けレッスンを開催/テニススクールにて業務委託でレッスン/テニスコーチ歴は17年(2022年現在)/7ヶ所のテニススクールにて指導経験あり

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