テニスは複数の動きの要素が組み合わさってできている難しいスポーツです。

なおかつ1球ごとに変化するボールに対してその都度違った動きで対応しなければなりません。

なので注意を向けるべきはボールで、身体動作に注意が向いていない状態というのが理想です。

身体を使おうと考えてプレーしている人は、ボールに対しての注意力が低下してしまいます。

注意力の低下により、ボールの変化に対する対応力も低くなります。

ボールの変化に対応できていない状態ではタイミングも合い辛く、ボールがコントロールできず大きくバラつきます。

そしてタイミングが合っていない時はリズムの無いギクシャクした動きになりやすいです。

例えば、テレビを見ながら何か考え事をしていたら、テレビの内容が入ってこなかったという経験はないでしょうか。

情報入力段階は原則として直列処理であると考えられている。つまり、同時に複数の情報を入力することはできない。『セラピストのための運動学習ABC』より

人の「注意容量」には限界があり、二つの事に同時に集中する事はできないそうです。

特にテニスでの、ラケットを使ってボールを打つという行為はかなり高度な運動なので、少しでも集中力が落ちるとプレーに大きく影響してきます。

身体の動きを意識してもプレーにそこまで影響が出ない人がいます。

それは運動がある程度自動化されている人です。

アドバイスをするコーチや上級者は、動きが自動化されているので多少身体の動きを意識したところで大きく崩れる事はありません。

ただしそのようなレベルのプレーヤーでも、自分と同等以上の相手とのプレーをする時に動きを意識しているとプレーの質が落ちます。

かなりの上級者でさえもこの様な状態なのに、ボールを打つ事の負荷が大きい状態のプレーヤーが身体の動きを意識しながらプレーしたらどうなるでしょうか。

なのでプレーの際にはボールに注意を向ける事に専念するべきです。

カテゴリー: テニス

ふっしー

伏見 大輔(ふしみ だいすけ)/TMCF代表/フリーランスのテニスコーチ/東京都板橋区を中心に都内でプライベートレッスン・初級者向けレッスンを開催/テニススクールにて業務委託でレッスン/テニスコーチ歴は17年(2022年現在)/7ヶ所のテニススクールにて指導経験あり

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